入居者だっていろいろ決めたい
2021年8月14日

入居者だっていろいろ決めたい。

きっかけはコロナだった。

地域の人々が自由に出入りしていたホールが、コロナ禍ですっかり静かになりました。「朝活」以外にも何かを催して、入居者たちがユニットにこもらないようにしたかったのです。

七夕の前、予定していた「朝活」が中止になったことを受け、スタッフの一人が「入居者のみなさん、お茶にしませんか?」と館内放送で呼びかけました。

いきいきと語り出す入居者たち。

集まった12名とお茶をしながら「七夕が近いね、何かしたいことはある?」と、たずねます。

食べたいもの、したいゲーム、うた。どんどん出てきます。入浴の時間を気にする人や、集まりやすい時間帯を把握している人がいて、イベントの開催時間を提案された時は、とても感動したそうです。

したいことを言うだけでなく、具体的な方法を意見する人たち。自発的に、飾り付けの準備にとりかかる人たちもいます。
当施設は認知症の方が大半を占めているので、寄り合い会議の進行は、当たり前ではありません。でも、それをとやかく言う人はいません。干渉のない彼らの連帯感は独特です。

試食会で意見を述べる。

完全調理済み食材の試食会を開きました。冷凍保存から常温保存のものまで、さまざまなアイテムを取り寄せました。
入居者たちが「おいしい」と感じなければ、試食の意味がありません。ご意見を伺うと、長老たちはむずかしい表情でいろいろ話してくれます。

新しいケアのかたちを求めて。

介護の場面で尊厳が重要視されています。個人的な見解で申し訳ありませんが、この言葉は法的な匂いを感じずにはいられません。
彼らは弱者ゆえ法で守らなければいけない、という考えがまずありきなのは当然です。だからどうするのだ、こうするのだと、もっと論じてほしい。
社会性と身体の自由を失った人々に、それでも社会は、自由はあるんだと、示すことが大切です。
私たちは、それが新しいケアのかたちだと信じています。