在宅介護に挫折を感じるということ・・・・施設長 淡路由紀子
2021年12月20日

母の笑顔はいくつもの意味がある。

上の写真は脳梗塞を発症したことを期に、アルツハイマー病が判明した頃の母だ。体全体が脱力し、目を閉じている時間が多かった。ほんのわずかでも元気を取り戻してやりたいと痛切に思った。そんな切実な思いに反比例し、自分の時間管理と根気強さに大きな疑問をかかえていた。半分はできる自分、あと半分はそんな忍耐力は毛頭ない自分がいた。

やがてその迷いは母の介護を通し、社会における自分の人生を見直すことにつながる。
ものの見方にも影響を与えた。自身を含め他者や物事を軽く見る傾向にも歯止めがかかってきた。指示にまわる仕事が長く続いたこともあり、行間を読むのを避けることも直したい。母のことがなければ、人の痛みや感謝のきもちが適当な人間で終わって いただろう。
在宅介護することをあきらめ、その挫折を認めるまでは長く、そして勇気のいる作業だった。
根性なしで弱い自分を認めなければいけないからだ。そんな辛い時期、施設介護に希望を見出せたのは、当施設のスタッフたちが早期に母を元気にしてくれたお陰だ。これには頭が下がる思いだ。
家に連れて帰るときっと、この笑顔は消え散ることだろう。
本当にありがとう。